秋の爽やかな気候の中、今年度の第2回学習会が開催されました。今年度は、「自己の看護実践を変革し、進化・発展させていく」ことを目指し、3回シリーズで学習会が企画されています。第2回学習会では、参加者それぞれが印象深い実践の場面を手掛かりに、データ収集と分析方法について学び、さらには対話を通じて自己のケアパターンを認識する試みでした。
このチャレンジを進めていくにあたり、今年度の学習会リーダーを担当している三次真理さんは「本日のチャレンジによって、落ち込むこともあるかもしれないけども、これは、看護実践の良し悪しを評価したり、反省するものではなく、自分自身のケアパターンを浮き彫りにして、今後の看護実践の変化を生むためのものである」とメッセージを伝えました。殆どの看護師は、自分の実践をみつめるとき、後悔や無力さを感じて苦しくなる経験をしていると思います。しかし、自分に変化が生まれることを想像すると、不安の中にも少しワクワクした気持ちが現れてきました。きっと、参加者も同じであったと思います。続いて、第2回学習会のファッシリテーター今泉郷子さんからは、「ひとつの看護師の言動にもケアパターンが表れている、ケアパターンを見出すためには、そこにケアパターンが現れている、という理論的な見方が重要である」と説明されました。
それぞれの看護実践を分析する前に、第1回学習会に引き続き、鳥取から毎回参加されている池田牧さんが実際のプラクシスリサーチの過程を紹介して下さいました。今回は、分析についてです。池田さんは、反省に留まって前に進まなくなることを回避するために、記述した文字をグレーにしてから、自分の言動が現れている部分の文字に濃い色をつけていったそうです。これは、少し距離をおいて場面の全体を眺める工夫で、こうすると、自分らしいところが浮き彫りになるそうです。このようにして、ケアパターンを見出した池田さんは、「過去のパターンでうまくいかないなら、違う自分で向かおう」という気持ちが湧き出てきたと話してくれました。まさに、進化のプロセスであったのだと感じました。
その後は、グループに分かれ、自分自身の看護実践場面をとおして、ケアパターンを分析しました。それぞれが記述してきたものを読み、最も気になるところに線を引いて、その箇所について対話をしました。最初は戸惑っていた人も、どのような考えも否定されることはなく、全て受け入れられる安心できる環境の中で、ありのままに感じたことを語れるようになっていきました。そして、参加者からフィードバックをもらうことで、見事に自己のケアパターンを見出すことができました。これは、ひとりでは成し得ない、対話の持つ大きな力であると実感しました。140分のグループ内対話によって、それぞれが明日からの看護実践に何か一歩が踏み出せる期待を得たように見えました。チャレンジの成果です!
第3回の学習会では、今回の学習会を経て、自己の実践の変化を報告しあう予定です。小さくても大きくても、どのような変化もすべて意味ある変化です。みなさんの実践報告が今からとても楽しみです。第3回からはじめて参加される方も大歓迎です!対話を通じて、一緒に看護実践を進化させましょう! (文責 松井利江)
写真右 自分の看護実践のパターンを
発表する池田牧さん(右)と質問者
写真下 グループに分かれて各自の看護実践のパターンについて対話し合う午後のひと時
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