特定非営利活動法人 ニューマン理論研究・実践・研究会

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対話集会

活動報告

Activity Report

2022年度 第2回ニューマンプラクシス学習会 レポート 

日時:2023年2月19日(日) 13時~15時30分

テーマ:『コロナ禍での学びの場づくり』

 皆さま、こんにちは。COVID-19に翻弄されて約3年、臨床現場では、“With Corona”での診療・ケアが進められていることと思います。このような中、2022年度2回目の学習会がオンラインで開催され、42名の方が参加して下さいました。テーマは、『コロナ禍での学びの場づくり』でした。「各施設でニューマン理論の学習会を立ち上げるにはハードルが高い」、「コロナ禍での学習会開催は難しい」などの声を受けて、施設内で学習会を継続的に実施している3施設の方々にご発表頂きました。発表では、学習会を立ち上げ軌道に乗るまで、またコロナ禍で学習会を継続していく上で困難だったことや工夫したこと、得られた学びなどについて、お話を聴きました。その後、小グループに分かれて対話を行い、ニューマン理論の学習を進めるにあたり悩んでいることや仲間づくりの工夫などについて語り合いました。簡単ではありますが、3施設からの発表内容とその後の対話の様子をお伝えします。

「青梅市立総合病院りんごの会」発表者:藤枝文絵さん

 藤枝さんの所属病棟で発足した学習会(りんごの会)は、参加者に理論が浸透し始めた矢先、コロナ禍に突入し暗礁に乗り上げました。進め方に悩みましたが、形に拘らず粘りつよい教育を!と考え方を変え、若手看護師と指導看護師が一緒に理論に基づく実践を進める「パートナーシップ体験型学習」にシフトしたことをご紹介くださいました。また、他病棟にも学びの場を拡げる取り組みとして、今回のようなHEC 学習会に参加し、その後、施設メンバーで集まる対話型の学習会を始めたそうです。ニーズに応じて柔軟に方法を変え、発展していくには、仲間や管理職者からのサポートも大きな力になることを教えてもらいました。

「奈良ニューマン理論・実践研究会」発表者:松井利江さん

 松井さんは関西圏にも「看護や教育の喜びや悩みを分かち合える場所、仲間ができること」を願って、7年前に所属大学の教員3名の仲間とともに学習会を立ち上げました。愛称はニーク(N-HEC)。当初は軌道に乗せなければと奔走し、リーダーと参加者との関係性は一方向的であったそうですが、互いを知ろうとすることで対話がすすみ、歳月を経て両者で一緒に成長するというパターンに成長をとげました。7年間という長期に渡って学習会を継続していくためには、リーダーが理論を理解し、楽しみながら運営することや、ニューマン理論を軸にした仲間づくりが大切であることを教えてもらいました。

「鳥取ニューマン理論・実践研究会」発表者:池田牧さん、樹下和江さん

 鳥取県立中央病院では、池田さんの実践に惹かれた樹下さんが仲間となり、院内での学習会を立ち上げました。理論は難しそうという声が多くありましたが、「理論を学んで看護にやりがいをもってほしい」という願いを掲げ、事例を通して理論を理解し、看護師としての成長を喜び合うことを続けました。参加者の成長を見て、今では「ニューマンでしょ?」と声をかけられるようになったそうです。ビジョンを明確に持つこと、成長の軌跡を参加者に見える化することの大切さを教えてもらいました。

「グループ対話とその後の全体での対話より」

 各グループの対話では、「学習会のリーダーは、理論を理解し、ビジョンを明確にもつこと」、「コアメンバーは一人ではなく仲間が必要であり、管理者も巻き込むこと」、「常に核となる“I care you”の精神をもつこと」、「何をやっているか見失わないように道筋を示し、進化・成長の軌跡を見える化すること」などが大切であることを学び合いました。管理者の立場である参加者からは、看護師がニューマン理論の理解を深めパターン認識することで変化していくと、おのずとその部署の師長さん自身もその変化に気づき変化していくこと、またお互いにその軌跡をフィードバックし合うことが大切となることを、体験を通して教えて頂きました。

 最後に顧問の遠藤先生から、「ニューマン理論を軸にした仲間づくりにはパターン認識が大切であること」、「理論をしっかりと理解し、いつも同じ方向でニューマンの言葉をシャワーのように投げかけること」、「仲間づくり・パターン認識によって行き詰まりや停滞は乗り越えられるし、学習会の方法やスタイルは状況や文化、ニーズに合わせて柔軟でよいこと」、「常にビジョンを確認しあい、自分たち学習グループのパターンや歩みの軌跡を認識して進む方向性をみんなで共有し合うこと」など、学習会を立ち上げ、継続していく上でのポイントをまとめて頂きました。

 オンラインでしたが、グループでの対話も取り入れ、写真のように飛び出しそうな笑顔が物語るケアリングあふれる会でした。初リーダーをさせていただいた2人にとっても意義ある体験でした。運営のすべての過程に理論が反映されていることを感じながら、ご参加頂いた皆さんとのきずなや、研究会の仲間の層の厚さを体験し、とても貴重で幸せな体験でした。この場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。

第2回学習会リーダー:熱方智和子(手記)、高野美子

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